このたび、官邸キャップ業務から外れることになりました。1998年7月に社会部から政治部に異動して以降、出たり入ったりで官邸には延べ8年間以上勤務しましたが、今後はもうここに常駐することはないと思います。
ここでは、政権末期の橋本龍太郎氏に始まり、小渕恵三氏、森喜朗氏、小泉純一郎氏、安倍晋三氏と、2人飛んで(福田康夫政権と麻生太郎政権のときは官邸を担当しませんでした)、鳩山由紀夫氏、菅直人氏、そして現在の野田佳彦氏とそのときどきの首相を間近でじっくり観察できました。
たまたま仕事の巡り合わせでそうなったとは言うものの、貴重な経験と見聞を積めたと思っています。たくさんの人との出会いがあり、あるいは別れもありました。人の世の諸行無常、栄枯盛衰を身にしみて実感できる場でもありました。
また、その結果は悲惨なものでしたが、政権交代の現場に立ち会えたことも、その内実をいやというほど、もう勘弁してくれというほど、二度とはごめんだというほど味わえたことも、記者としては幸運だったのだろうと思います。
今後も、何かの折にここに取材に来ることはあるでしょうが、もうここで勤務するということはないのでしょう(先のことは分かりませんが)。そう思うと、この窓も開かず、息苦しい記者クラブのよどんだ空気もほんの少しだけ名残惜しく、ちょっと感傷的な気分になります。
といっても、別に政治部には引き続き在籍しますので、政治関係の取材・執筆はこれからも続けます。今回キャップを務めた2年間は、首相があまりにもアレなので、その異質で異様な言動や人物像を描写することが多かったので、今後はしばらく、もっと政策的な記事を書きたいと思います。
自由時間も今までよりは増えそうですし、部下を使わず、自分で取材する機会も増えるでしょうから、また違った視点・角度でこのブログのエントリも書けるのではないかと思っています。
それでは、これからも何卒よろしくお願いします。