2012年09月

 

 昨日は、自民党の谷垣禎一前総裁にインタビューをする機会がありました。3年間の長期にわたり、総裁の座にありながら、今回の総裁選では結局、身を引いた理由やそのことへの思い、派閥構造が弱体化する中で党をまとめていく難しさなど、限られた時間ではありますが、いろいろと聞くことができました。

 これについては、改めて産経の紙面で紹介することになりますが、とりあえず、非常に共感を覚えたけれど、たぶん紙面化はされないだろう部分について簡単に取り上げておこうと思いました。

 それは東日本大震災の発生からまだ3カ月たっていなかった昨年6月、当時の菅直人内閣への内閣不信任決議案を提出した際の、谷垣氏の苦渋の思いでした。谷垣氏は、「そんなことをやっている場合ではない」との国民の反発を覚悟しても不信任を突きつけざるを得なかった気持ちを次のように語りました。

 谷垣氏 あのとき、不信任案を出したのには随分、批判もあったんです。それは、これだけの国難の3.11の後、まだ震災復興もほとんど緒についていないときですから、国民から見たらものすごいアレルギーを感じた不信任案の提出だったと思います。

 私も、この時期に不信任案を出すのはどうかと随分考えました。今、あれは「人災だ」と言われているけれど、あのころは、いろんな東電やらなにやら内部情報はいろいろ入ってきても、情報源はどこかとは言いにくかった。だけど「こりゃあ、菅ではとてもさばけない」という気持ちが……しばらくたったらそういう気持ちになっていた。

 「何だ、こんな時にまだケンカをしているのか。涙が出た。谷垣さん、そんな党利党略を考えていたのか」と私は面と向かって言われたこともあります。確かにそんな反応はありました。

 だけど、私自身の気持ちはあのとき、菅さんの震災に対するめちゃくちゃな対応を見ていたら、そりゃ不信任案をと……。だけど、通るかどうかはよく分からなかったんです。あの日は、民主党の様子を見ていると「通る」と思いました。だけど、(不信任案に賛成を表明していた)民主党議員側が腰砕けになっちゃった。

 菅さんだけは絶対にダメだと思ったが、それは国民には十分に伝わっていなかったと思います。だから、不信任案提出は自民党のイメージにマイナスの印象を与えたかもしれませんね。

 ……私は谷垣氏への取材経験はあまりありませんでしたが、インタビュー中、終始笑みを絶やさず、かつ熱心に語ってくれました。よく言われるように、人柄のよさがしみじみと伝わってくる取材でした。3年間にわたる総裁の激務、本当におつかれさまでした。

 

 というわけでここからは宣伝ですが、私が民主党政権の外交についてこのブログその他であれこれ書き散らした感想やら溜め息やら憤りやら憤怒やら激怒やら諦観やらをまとめて再構成し、加筆・修正したものが本になり、10月18日、産経新聞出版から「破壊外交 民主党政権の3年間で日本は何を失ったか」というタイトルで緊急出版されます(ものすごい駆け足作業で)。

 ここの読者の方には私の論調、意見はもうおなじみでしょうから、できたら、それ以外の方にも手に取ってもらえればいいなと思っています。まあ、なんというか、危惧した通り、こうなったらまずいなと予想した通りに転がり落ちていく民主党外交についてのおさらいになっています。

各章に編集部力作の年表付で、次にまた自民党政権になるにしろ、そうならないにしろ、こういうことをやっていてはダメだよ、ということがあれこれ記されているというわけです。気が向いたら、買ってやってください。

 

 

 時代の歯車が「カチッ」という音をたてて一つ動いた、という印象を覚えました。

 

 あまり時間がないので簡単に触れますが、ご存知の通り、本日の自民党総裁選で安倍晋三元首相が新総裁に選ばれました。総裁経験者が再び総裁となるのは初めてです。まずは、安倍氏におめでとうございます、と言いたいですね。5年前のとてつもない喪失感を思うと、実に感慨深いものがあります。

 

 ただ、明日の産経紙面にも書きましたが、安倍氏がこれから歩む道は楽なものではないでしょう。党内運営一つとっても、党員票では石破茂前政調会長が大きく上回っていたこともありますし、人事配置はかなり配慮がいりますね。応援してくれた人たちをきちんと処遇することも大事ですが、そもそも野党なのでポストは党役員ぐらいしかないし。

 

 また、野党第一党の代表としては、野田佳彦首相をなんとか衆院解散・総選挙に追い込むことが求められますが、民主党側にはまったくその気はなさそうで、引っ張れるだけ引っ張ってやろうと考えているのは見え見えなので大変そうです。野党でいる以上、直接外交にタッチすることはできませんが、総裁として今後はどしどし発信していく必要もあります。

 

 そして、そんなことよりも、安倍政権時代の凄まじい、メディアをはじめとする左派勢力の攻撃が思い出されます。朝日はすでに、総裁選の告示前から安倍氏への批判を始めていますし、今後、多くのメディアや学者、評論家がなんとか貶めよう、あげつらおうと手ぐすね引いて待っていることでしょう。

 

 ただ、安倍氏はそれらのすべてを覚悟して、乗り越えるつもりで、我こそと出馬したのでしょうから、行方を見守るしかありません。やはり本番は次期衆院選後ですね。一日も早く解散がありますように。一日千秋の思いで待つしかありません。

 

 

 さて、事実上、次期首相を選ぶといわれる自民党総裁選の投開票日まであとわずかとなりました。まあ、あまり予断を持って論じるわけにはいきませんが、だいたいの趨勢を見ると、序盤は有力と言われた石原伸晃幹事長が失速し、その分、他候補が票を上積みしているというところでしょうか。

 

 私も本当は、あちこちの現場に飛んで取材したいのですが、いたずらに馬齢を重ねるといろいろな雑用ばかり増え、現場の生の空気を実感できる場面が減っていきます。というわけで、総裁選の候補者遊説に同行した若手記者(というほど若くもありませんが)のメモから、有権者(自民党支持者?)の雰囲気が伝わる部分を抜き書きしました。

 

 あくまで、各記者がそこで感じたというだけで、それが実際にそうだったかまでは分かりませんが、現場だからこそ分かることもあるでしょうから、何かの参考にはなると思います。少なくとも、テレビで偉そうに解説している年配者より、よほど素直に物事を受け止めていることでしょう。

 

■23日

・激しい雨だが、駅北口ロータリーは黒山の人だかり。石破氏が傘も差さず、ずぶぬれで演説。安倍氏への声援が一番多く、日章旗片手に「安倍さーん」という若い声も。石破氏もまあまあ。石原氏は演者で唯一、演説始めの拍手なし。(千葉県のJR市川駅前)

 

・笑顔で甲府駅から出てきた4人は握手攻めと拍手。人気は安倍氏、石破氏、石原氏、林氏の順か。(JR甲府駅前)
 
■22日
・演説中の聴衆の状況(携帯などのカメラで撮影するかどうか)や演説後の聴衆反応を見ていると、石破、安倍両氏の反応が良い。(福島市内)
・安倍氏の拍手、掛け声が多い。(仙台市内)
 
■21日
・声援は安倍、石原両氏が多し。演説前の幟は石原、石破両氏のみ。パンフを積極的に配っているのは安倍、石破両氏。(那覇市内)
 
■18日
・小雨が降り続き、見物人も動員と見られる人ばかりで限定的。石破氏のパネルを掲げている人が目立ったくらい。安倍氏のチラシを配布している人もいた。演説は相変わらず、テンションが高い安倍氏への拍手、かけ声が多い。(神戸市内)
 
■17日
・石原氏を応援する大きな看板(西部警察とか書いてある)を持った人たちがうろうろしていた。あと「安倍さん」と書かれた小さなプラカードを持っている人も。歓声は安倍氏に対するものが一番大きかった。(大阪市内)
 
・直前までの雨は上がったものの、台風16号の影響で風が強い。演説では安倍氏が一番威勢がよく、拍手やかけ声も多かった。石原氏の失言はなし。(名古屋市内)
 
■16日
・声援の大きさはあまり変わらず。強いていえば、石破、安倍両氏がやや大きめ。握手の数から見ると、石破氏優位。石原氏は最後近づいてきた中年女性に「エイリアンじゃないよ」と嫌味を言われる。石原氏は無視。(JR長野駅前)
 
 ……後輩記者の街頭演説メモは当然、これだけではありませんが、聴衆が各候補にどういう反応を示しているのか、記者が何に留意しているのかが分かりやすいものを選んで紹介しました。まあ、だからどうだというほどのものではありませんが。
 
 で、一方の民主党はというと、代表戦で再選を果たした野田佳彦首相は幹事長に「あの人」を続投させるようですね。民主党に人材がいないことは重々、もう勘弁してくれというほど分かってはいますが、それでもねえ。野田氏が昨年8月前に「あの人」を選んだ後、何かうまくいったことが一つでもあるのかと心から疑問なのですが、もう理解しようと試みる気も起きません。
 
 誰が総裁になるにしろ、自民党はもし再び政権に就くことがあるならば、そのときこそ昔のしがらみなどと縁を切り、日教組・自治労と今度こそ本気で対峙してもらいたい。これをなあなあにするようでは、いくらあの、例の、いわく言い難い、目を背けたくなる、というかとても正視できない恥ずかしい民主党よりかはいくらかマシであっても、本質はたいして変わらないという評価を下さざるを得ません。
 
 先のことは分かりませんし、私は有権者の心理、気持ちを読み取る能力に欠けているようですが、そんなかつての自民党がただ復権するだけであったら、もう時代が必要としていないと思う次第です。なあなあも、なれ合いも55年体制下には一定の意味があったのかもしれませんが、もう結構です。

 

 たいして仕事をしているわけでもないのに、日々ばたばたしているうちに、恒例の読書エントリを2カ月以上さぼってしまいました。今年の残暑はとてもしつこく猛烈でしたが、本日はようやく秋らしい涼しい日となりました。というわけで、いつものように読み散らした本の紹介とまいります。

 

 まずは、山本幸久氏の「一匹羊」(光文社、☆☆☆)から。この題名が、人とつるむことも群れることも得意ではなく、かといって一匹オオカミを気取るような強さも孤高さも何もない自分の立ち位置と重なるような気がして手に取りました。

 

     

 

 8つの短編が収められていて、それぞれ「なんだかなあ」という日々を送っている主人公が、それでも小さな希望を胸に生きていく姿が愛おしく描かれています。「一匹羊」は短編の一つ、同族企業の中年サラリーマンが主役の物語でした。

 

 三田完氏の「黄金界」(講談社、☆☆☆)も短編集で、やはり市井の人々の哀感が描かれています。一作目のソープランドのシーンの描写には少し驚かされました。特に、生真面目一方で売れない落語家が出てくる「通夜噺」はしみじみいい話でした。

 

     

 

 自身も医師である海堂尊氏の「バチスタ」シリーズも、この「ケルベロスの肖像」(宝島社、☆☆★)でひとまず完結だそうです。愚痴外来の田口医師の成長(?)著しいのはいいのですが、なんとなく物足りなさも感じました。シリーズが終わるときは、こんなものなのかなと。

 

     

 

 いつも安心のクオリティーを維持する宇江佐真理氏の髪結い伊三次シリーズ第11弾「明日のことは知らず」(文藝春秋、☆☆☆)は、毎度のことながらじっくりと読ませてくれます。伊三次夫婦は巻を重ねるごとに確実に歳をとっていきますが、その分、子供たちは成長していきます。この当たり前のことを、物語を通じて味わえる幸せよ。今回のタイトル通り、人間、先のことはどうなるか分かりませんが。

 

     

 

 で、やはり宇江佐氏はいいなあと、しばらく前に刊行されていたけれど未読だった「通りゃんせ」(角川書店、☆☆☆)も手に取りました。これは、現代の若者が江戸時代に紛れ込むいわゆるタイムスリップもので、半村良氏の「講談 碑夜十郎」を連想させる設定です。宇江佐氏の作品には珍しいパターンであり、主人公が現代に戻る過程はいまひとつ説明不足のような気もしましたが、まあ楽しめました。

 

     

 

 澤田ふじ子氏の公事宿事件書留帳シリーズはこの「鴉浄土」(幻冬舎、☆☆☆)で第20巻を数えます。私も会話がくどい、説教くさいなどとブツブツ文句を言いながら、20冊も買って読んでしまったというわけです。作家ってさすがだなあと。

 

     

 

 さて、以前の読書エントリで高野和明氏の「ジェノサイド」に大いに感動したことを記したと記憶していますが、この「グレイブディッカー」(角川文庫、☆☆★)はどうかなあ。ミステリー小説としての評価はかなり高いようですが、私はあまり趣味に合わなかったようです。

 

     

 

 いつのまにかシリーズ化していた浜田文人氏の「若頭補佐 白岩光義」も今回の「南へ」(幻冬舎文庫、☆☆★)で3巻目ですね。前作では仙台でトラブルに巻き込まれた白岩は、今回は福岡で面倒を抱え込みます。義理人情エンターテインメントは健在です。

 

     

 

 ずっと前から気になっていたのですが、なんとなく読み損ねていた有川浩氏の「シアター」(メディアワークス文庫、☆☆☆)の1、2巻をようやく読了しました。どうやら3巻もそのうち出るようなので実に楽しみです。

 

     

 

 シアターという題名について、単純でもの知らずの私は当初、映画館の物語なのだろうと思い込んでいたのですが、読んでみると劇団の話でした。しかしまあ、登場人物の一人ひとりのキャラクターが生きていて、しかもお金の問題がきっちりと書き込まれていて、とても興味深く読めました。主人公の劇団主宰者がとんでもなく甘ったれで、それでいて女性にもてるのは不愉快でしたが。

 

 というわけで、同じ出版社つながりというわけでもないのですが、やはり以前から気になっていた三上延氏の「ビブリア古書堂の事件手帳」(☆☆★)の1~3巻にも手を出しました。これは、最初は今ひとつかなと思っていたのですが、だんだん栞子さんがちょっと正体不明の魔女じみてきて、面白くなってきました。

 

     

 

 で、前回の読書エントリで2巻まで読んだことを報告した米澤穂信氏の古典部シリーズ(角川文庫、☆☆★)も、つい止まらなくなって「クドリャフカの順番」「遠まわりする雛」「ふたりの距離の概算」……と結局、現在出ている5巻すべて読破してしまいました。この年になって高校生気分にひたるのは難しいのですが、なんか読んでいて楽しい作品ですね。

 

     

 

 なので、米澤作品を他にも読んでみるかと、しばらく以前に話題になった「ボトルネック」(新潮文庫、☆☆★)も読みました。うーん、これ、いろんな意味で非常によくできている作品だと思います。考えさせられもします。ただ、結論(題名が示唆)に救いが感じられず、私が読書に求めたいカタルシスがあまり……。

 

     

 

 というわけで、時代小説のオムニバス「世話焼き長屋」(新潮文庫、☆☆☆)を買い求めました。収められていた短編5作のうち、実は2作は以前読んだことのある話でしたが、やっぱり時代小説はいいなあと。精神安定剤になります。

 

     

 

 ここからは番外編です。ここの読書エントリは原則として「小説」を対象としていて、あまり漫画は紹介していませんが、ときどき無性に取り上げたくなる作品があります。今回読んだ片山ユキヲ氏の「花もて語れ」(小学館、1~5巻)という作品は、なんと朗読をテーマにしているのですが、これが実にいい。

 

     

 

 私はこれを読んで、宮沢賢治の春と修羅の解釈や、高校生のときに完全に誤読していた太宰治の読み方などを改めて知ることができました。まあ、私のレベルが低すぎるということもあるのでしょうが、それにしてもいいなあ。最近はこのほか、うめ氏の「大東京トイボックス」(幻冬舎コミックス、1~8巻)にも打ちのめされました。

 

 いい作品は、小説でも漫画でも、自分にもっと想像力と創造力があったなら……と、昔日の憧れを思い出させてくれます。現実は、政争がどうしたこうしたとか、政治的怨念がどうだとか、そんなつまらないことばかり追いかける日々なのですが。

 

 民主党の代表選が終わり、予想通り、野田佳彦首相が圧勝しました。ところが、再選後のあいさつで、野田氏は「私には今、笑顔がない」と述べて不景気な顔をして党の立て直しを訴えていました。16日のNHK番組でも「党運営はもう崖っぷちです」と言っていましたし、凄まじいヤジを浴びた19日の新宿での街頭演説でも、財政・原子力行政・領土問題で旧自民党政権を批判するばかりで聴衆の方は見ようともせず、殻に閉じこもった様子でしたね。

 新宿に取材に行った後輩記者によると、野田氏の演説はヤジにかき消されてまともに聞こえなかったとそうです。そりゃ野田氏にしても、再選されたからといって前途を思うと笑っている余裕はないのでしょうね。

 また、代表戦自体、ひたすら内向き・党内向きで国民に訴えることの少ないセレモニーでしたし、そこで行われた議論も現下の厳しい国際情勢についてよりも、党内融和だとかマニフェストがどうしたとか、もういまさら国民にはどうでもいいことが多かった気がします。これでは、国民が明るくなれるはずがありません。というか、民主党がどうなろうとそれもまたどうでもいいか。

 野田氏はきょう、近く党役員人事を行うことも表明しましたが、それも自民党総裁選ばかりに話題をさらわれるのを避けようとしているのがみえみえでしたし、そもそも今民主党にいる人材をどう動かし使おうとたかが知れているので、ほとんど関心がわきません。もはやどうでもいい、という感じです。

 一方の自民党総裁選の方も、当初は有力視されていた石原伸晃幹事長の失速感が著しいですね。本命は石原氏ながら、石破茂前政調会長の票を減らすために林芳正政調会長代理に立候補させたといわれる古賀誠元幹事長も現在の情勢に困り、林氏の票の引きはがしに入っているという情報もありますが、林氏としても、推薦人の数より議員票が減るような事態になったら将来の首相候補どころか議員生命も危うくなりますから、親分にさからってでも、そうはさせじと必死なことでしょう。

 まあ、そんな真偽の定かでない怪情報はいくつも飛び交っていますが、やはり民主党代表選よりも自民党総裁選の方が面白く、議論の中身も民主党よりはいくらか聞き応えがあるので関心を持ってきました。大方の人はそうだろうと思います。

 で、とはいっても一応、テレビで民主党代表選のニュースを見ていると、原口一博元総務相の敗戦の弁が映っていました。原口氏はインタビュアーに、野田首相から要請されれば党役員や閣僚に就く気はあるかと聞かれ、まずは「一兵卒でやります」という型通りの答えをしたわけですが、次の瞬間、「日本のためなら何でもやります!」と力強く述べていました。

 つまり、一応、謙虚ぶってみせた後、すぐに「でも、党役員でも閣僚でも、ポストをくれるというなら喜んで受けます」と言いたかったのだと思います。代表戦中は、離党もほのめかして野田氏を批判しておきながらこれです。本人に直接聞けば、「いやいやそんなつもりで言ったのではない」と白々しく答えるでしょうが……。

 なんか、日本の将来を左右するだろう自民党総裁選の行方だけでなく、原口氏個人の今後についても、ほんの少し違った意味で興味を覚えました。この先、どんな場面でどんな言葉を口走ってくれるのだろうかと。ルーピー鳩山氏には遠く及ばないにしても、これはこれである意味(というか変な意味で)期待できる逸材かもしれないと。我ながらそんなつまらないことを考えました。なんだかんだ言っても、それなりに票は稼いでいたし。

 まあ、早く衆院解散・総選挙さえ実施されてくれれば、こんなどうでもいい世迷いごとを考えずに済むのですが。一方、今回の自民党総裁選では、各都道府県連とも、いつになく党員票の出方がとても遅いそうです。地方の党員たちは、親分や組織に指示されてそうするのではなく、じっくりと各候補の議論や様子を見極めた上で投票先を選んでいるのだと言われています。

 さて、どうなるか。取材し、情勢を見守る方も徐々に緊張してきます。

 

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