先日、たまには読書シリーズを再開しろとのコメントをいただきましたので、きょうは勝手に恒例と位置づけている最近読んだ本についてまず、紹介したいと思います。といって、例によってたいした本は読んでいない上、今月は私生活でいろいろあったため、読書量がいつもより少なかったので、ついでに独断と偏見に基づき読書案内のまねごともしてみたいと思います。
まずは、「このミステリーがすごい」大賞を受賞した「禁断のパンダ」という作品から。作者は知らなかったのですが、けっこう期待をもって読み始め、最初の3分の1ぐらいまではとても面白く、これは当たりだと思って読み進めました。ただ、その後はだんだん必然性の感じられないストーリー展開と、無意味にキャラがたっているだけで、共感の感じられない登場人物の暴走についていけず…。最後まで読んでみて、正直なところ甚だ完成度が低い作品だと感じました。「美味」の描写は斬新で非常によかったのですが。
次は、私が好きな作家の一人である北森鴻氏の「香菜里屋を知っていますか」です。これは「桜宵」「蛍坂」に続く「香菜里屋」シリーズの完結編であり、またビールを飲みながらゆるゆると楽しめるシリーズ本が一つ減ってしまいました。この作家では、SF伝奇漫画の巨匠、諸星大二郎氏の「妖怪ハンター」シリーズを意識した民俗学専攻の大学教授、「蓮丈那智フィールドファイル」シリーズの新刊が出るのを楽しみにしています。このシリーズは女優、木村多江さんの主演でテレビドラマ化もされましたが、なかなか蓮丈教授役が似合っていました。
で、またかと思われるかもしれませんが、前回の本紹介のエントリに引き続いて今野敏氏の作品です。とりあえず、いま片っ端から読んでいるので同じ作家ばかり紹介することになり心苦しいのですが、はまってしまったので仕方がありません。ちなみに、都市銀行社員の誘拐事件を描いたこの作品では、脇役ながら新聞記者がけっこう大事な役柄で登場するので、割と親近感を持って読めました。記者の取材のやり方など細部ではちょっと違うな、とも感じましたが、目くじら立てるほどではありませんし。
ここからは最近、電車の中や取材の待ち時間その他、暇があったら読んでいる「東京湾臨海署安積班」シリーズです。外見は重厚で周囲の信頼が厚いながらも、実は常に他人の反応を気にする小心なところがある安積警部補と、それぞれ一癖あるその部下たちが次々に起きる事件に立ち向かうというストーリーで、とにかく安定感のあるおもしろさです。この今野という作者は、つくづく小説職人だなあと感心します。
さて、これだけではちょっと寂しいので、本日は私が愛読し、尊敬している時代小説作家、藤沢周平氏の作品の中から、何度も何度も読み返した作品を紹介します。この、とてつもなく完成度の高い物語を、これ以上は望めないくらい美しい日本語でつづってきた作家が、11年前に亡くなってしまい、もう新作が読めないのがとても残念です。私は、特に藤沢氏の連作短編集が好きで、2、3年の期間をあけては繰り返し読んでいます。すると、細かいストーリー展開はある程度忘れているので、また楽しめるという具合です。以下、お薦めの作品です。
①「用心棒日月抄」(4巻)…これは七、八回は読んだでしょうか。一作一作が本当に味わい深く、登場人物の一人ひとりも心に残ります。藤沢氏の作品は、情景が具体的に目に浮かぶようなことが多いのですが、これもまさにそんな作品です。最終巻の色調がちょっと暗いのが残念でしたが。
②「監医立花登手控え」(4巻)…これは主人公の若さが物語全体を明るくしていて、変な表現ですが安心して読めます。藤沢氏は特に初期作品は、世の悲惨な部分にスポットを当てた暗い感じの作品が多いのですが、この作品は主人公が前途への希望をふくらませる形で終わります。
③「よろずや平四郎活人剣」(上下)…私の趣味で申し訳ありませんが、これも基本的に明るい話です。用心棒シリーズと少し似たところがありますが、主人公が若く、背負っている背景も用心棒シリーズほど深刻ではないので、気楽に読めますが、出てくる登場人物の造形はさすがだとしか言いようがありません。悪役の元締めの迫力、怖さを表した描写には、本当に瞠目させられました。
④「三屋清左衛門残日録」…家督を譲り、隠居の身となった老武士の寂しい心境と、しかしそれでもいろいろな出来事に遭遇し、活躍する姿を描いた作品です。これは同じ時代小説家の白石一郎の「十時半睡」シリーズと共通するところもありますが、それぞれの作家の個性からか、味わいは全く異なりますね。
⑤「蝉しぐれ」…これは言わずと知れた名作中の名作ですね。私はこれを初めて読んだとき、続きが読みたくてとまらない小説のおもしろさとともに、日本語の美の一つの到達点を見た気がしました。この本は藤沢ファンを増やすための布教の書として、何人もの人に勧め、そのうち半分ぐらいはその後藤沢小説にはまっていきました。
⑥「春秋山伏記」…これは作者の故郷、山形県の農村部を舞台にした若い山伏の活躍を描いた作品です。裏表紙の作品紹介に「エロチックな人間模様」とあったのでかえって敬遠していて、読んでみたらそんな部分は全然強調されておらず、これを書いたであろう編集者は何を考えているのか、むしろ読者をこの面白い作品から遠ざけただけではないかと感じたことがありました。やはり藤沢ファンの友人にそれを話すと、彼も同じことを考えたと言っていました。
⑦「彫師伊之助捕物覚え」(3巻)…このシリーズはハードボイルドタッチで、従って決して明るくはないのですが、ぐんぐん引き込まれました。特に第一作「消えた女」のラストシーンは深く心に残りました。私は警視庁担当記者時代、特ダネのろくにとれないできの悪い記者でしたが、読んでいてその当時の事件の地取り取材時のことを思い出したぐらい、伊之助の探索はリアルに感じました。
⑧「風の果て」(上下)…かつては同じ軽輩の子として同じ剣術道場に通った仲間が、いつしか一人は立身出世を遂げ、一人はいまだに部屋住みの厄介者のまま。そして二人は斬り合うことに…。私は観ていませんが、最近これもテレビドラマ化されたようですね。正統派の時代小説といった赴きがあります。
⑨「秘太刀馬の骨」…筆頭家老暗殺に使われた幻の剣「馬の骨」の秘密を探索するよう命じられた若い侍が、藩内の剣客一人ひとりと立ち会っていくうちに、藩内の熾烈な抗争の存在が浮かび上がってきます。表題の秘太刀の使い手、継承者とは果たしてだれか。意外な結末が待ち受けています。
⑩お薦めの短編…藤沢氏の作品は外れはありませんが、個人的に強い印象を受け、何度も好んで読み返しているのが、ギャンブルに一度はまったことがある者なら身につまされる「暁のひかり」、全編これ痛快な「臍曲がり新左」、父と娘の細そうでいて強い絆を描いた「入墨」などがあります。初めて藤沢作品に出会った20代終わりごろは、毎日毎日、傑作・名作を読めて幸せでしたが、やがて全部読み尽くしてしまい、とても寂しい思いをしたものでした。
ついでに言えば、私は山田洋次監督が手がけている「映画の」藤沢作品は好きではありません。山田監督流の「階級史観」「虐げられた庶民・下級武士史観」が必要以上に強すぎて、原作の爽やかさがきれいに消えて、重苦しく嫌味のあるものになっているような気がして…。好きな方がいたらごめんなさい。
おまけに、私が繰り返して読んでいる漫画の名作を一つ。いろいろもめ事があったらしく、現在は絶版扱いらしいので、あまり一般書店では見ることはないと思いますが、この「マスター・キートン」(18巻)は、やはり時間をおいて何度も読み、そのたびに「名作だ」と感心しています。主人公は日英ハーフの保険調査員で、大学で考古学を教える講師でもありますが、実は英国特殊空挺部隊(SAS)のサバイバル教官だった経歴もあり…。浦沢直樹という人は、本当に才能豊かな人なのだろうと思います。
コメント
コメント一覧 (64)
こんにちは。
>マスター・キートン
「以前」持っていました(笑
もったいないことをしました(笑
しかし相変わらず凄いですね。
とてもかないません。
まあ、新聞記者相手に比較しようと思う方が間違っているのですが、
世間一般の平均よりは読んでいる方なんですけどねぇ(苦笑
以前読んで嵌ったのは、菊池秀行などでしたが、多様な範囲で読まれている
のには敬服しました。
しかし忙しいはずなのに、こんなに読んで凄いですね(汗)。
自称「活字中毒」も頷けます(笑)。
私なんか読むのが遅いですから、一冊読み切るまで人の倍はかかってると思います。情けなや。
マンガで私がお勧めなのは『蟲師』です。
「美しい日本がここにある」と感じる事が出来る作品だと思います。私が唯一読む漫画です。
実写版は失敗(関係者がいたらごめんなさい)でしたが、アニメは素晴らしい作品です。美しいです。
作品の精神性も「古き良き日本」に価値を置いてると感じます。
『蟲師』はアニメから見始める方が良いかも知れませんが、原作漫画も素晴らしいですよ(力説・笑)。
本当に”本”が好きな”お父さん”を見て育つ阿比留様のお子様も、きっとお父さん譲りの本好きになるでしょうね。
私も両親が本を読む姿を見て育ち母に本に触ってよいと言われた時には、有頂天になりました。小学2年生の時で新潮文庫の「赤毛のアン」(村岡花子訳)を挫折を繰り返しながら読み終えて読書の楽しみを知りました。このぶ厚い文字だけの本を初めて読む本に選び、読み終えて、その後はどんな本も恐くはなくなりましたネ。
おかげで、山岡荘八の徳川家康26巻を楽しく読み、続いて司馬遼太郎、海音潮五郎、等で歴史を教科書以外で学べて幸せでした。
日本語の文字に飢えていた時に、山本周五郎全集に出会い、その短編の魅力を知りました。藤沢周平は阿比留様同様好きな作家で、他には、池波正太郎が好きです。
最近、佐伯泰英の「居眠り磐音」シリーズを読み始めましたが、3巻目で止めました。何と言うか面白いけれど、ジャッキー。チェンの映画みたいで、1回見ればもうたくさん、と言う感じでした。
読まなければならない本は沢山あり積読状態なのですが、息抜きの本も欲しくて。ただ、読みたい、と感じる本がドンドン減り寂しいです。
お子さんは回復されましたか?
昨年はノロウイルスの流行がありましたが
今年はインフルエンザが流行中です
ウイルス学を学んだものとして専門的に
言わせてもれえば鳥インフルエンザの
人から人への感染は懐疑的です。
デスノート公開中のL チェンジザワールド
ではないですが、エボラウイルスのようなアフリカの奥地で
確認された空気感染するレベル4ウイルスが監視されるべきです。
アウトブレイクという映画が昔ありましたし、
ブルース・ウィリス主演のSF映画12モンキーズもありました。
話題を変えましょうか。
僕の好きな本の紹介です。
大河ドラマになった「春の坂道」お勧めです。
柳生新陰流の開祖柳生石舟斎や徳川家康に仕えた
柳生宗矩が登場します。
奈良には地酒で「春の坂道」ありますので
日本酒の好きな方、一度飲んでみてください。
「よろずや平四郎活人剣」では、勘当された放蕩息子の嫁に縁切りを頼まれる一節が好きです。貧しくても卑しくない女性が素敵でした。
「三屋清左衛門残日録」これも味わい深い作品ですね。特に同期(?)の人間が今は落ちぶれ、清左衛門を害しようとする一品は、なんだか身につまされました。
北原亞以子なども好きですが、最近読んでないですね。
こんばんは。>「以前」持っていました(笑もったいないことをしました(笑…これは本当にもったいない。もう少しすれば、本当に稀少本扱い…まではいかないかもしれませんが貴重だと思いますよ。菊地秀行氏の本では、新宿を舞台にした医師メフィストやせつらが出てくる本は以前、けっこう読みました。
今野先生・藤沢先生・・・
漫画の横につか先生の本もありますね。
(気づいたので書いたまでです。深い意味はありません。)
いいですよね~。絶版なんですねー。大事にしようっと。
モンスターも全部持ってますが、キートンの方がいいです。
(こういうときくらいしかコメントしてないんですが。。すみません…)
ちなみに私の好きな藤沢作品は、又蔵の火です。ネット上の読書仲間に勧められて藤沢ワールドにはまった思い出の作品です。
こんばんは。「蟲師」は確か6巻ぐらいまでは読みました。映画はビデオで観ましたが、映像は面白いものの、確かに原作の世界をいまひとつ再現できていないようでしたね。漫画の世界は、「蟲師」だけでなく、実に豊穣な世界なので、機会があれば他作品も読まれることをお勧めします。
吉例・読書シリーズ、楽しみにしていました。
「このミス大賞」作品をいくつか読みましたが、今ひとつだった気がします。
最近私も藤沢周平氏や池波正太郎氏を読み返していました。
藤沢氏はやっぱりいいですよね。
教師や記者の経験も作品に役立ったのでしょうか?
氏の初期の作品にやや暗い陰があるのは、病との闘いや妻の死などが影響しているのでしょうね。
結局結核手術時の輸血によって罹った肝炎が原因で亡くなったと、何かで読んだ記憶があります。
健在であれば今80歳くらいですが、何とも惜しい作家をなくしたものです。
今野敏氏は、すみません、まだ読んでいないのでそのうち。。。
私も「赤毛のアン」は母のお下がりの文庫本を小学生だったか中学生のころに読み、熱中したのを覚えています。もちろん私も、山本周五郎氏も池波正太郎氏も好きで、無意識のうちに子供の名前に、藤沢氏と山本氏に共通する「周」という字をつけてしまいました。
こんばんは。
さすがっていうか凄いですね。
漫画は「ゴルゴ13」はすべて読んでいますが(笑)
先々週に内田康夫さんの「靖国への帰還」講談社を買いました。
購入前からすごく楽しみにしていました。
まだ第一章しか読んでいませんが、それこそ長編小説は静かなところでじゃなきゃ真剣に読めないのです。映画もそうですが自分がその中に嵌まってしまうくらいのめり込んでしまいますので、本当は一気に読んでしまいたいのですが、、、。
いま藤沢周平にはまっています。
氏の出身地、山形県鶴岡市に4年半も勤務したことがありますので、庄内を舞台とした小説の場合など、土地の気候風土や庄内弁にも馴染んでいますし、とても身近に感じながら読めます。
「義民が駆ける」では、会話の部分で庄内弁がそのまま活字になっていますしね。
手元に27冊ありますが、残り少なくなると不安になって、既に読んだ本の手控えを持って暇があると作品を探して市内の本屋回りです。
手持ちが尽きたら、やっぱり繰り返して読むことになるのでしょうね。
高校2年に結核で1年3ヶ月入院して読書に目覚めて手当たり次第に読んだものです。
最初は山岡荘八からスタートでしたが、時の大御所の海音寺潮五郎などもお気に入りでした。
山本周五郎の庶民の視点もいいですね。
親戚からいただいた中尾佐助のブータン旅行記からドキュメンタリーが好きになりました。
入院中はやることがないから読書には最適な期間でしたね。
お久しぶりです。子供は元気にしています。「春の坂道」は、寡聞にして知りませんでした。だれの作品でしょうか。本屋で探してみます。
こんにちは。北原亞以子氏も木戸番シリーズなど一時期けっこう読みましたが、最近はなぜか遠ざかっています。慶次郎縁側日記シリーズも読んでいましたが…。
つか氏は以前インタビューした際に、自分の父は(朝鮮半島から)日本に無理矢理連れてこられたと言っていたが、ウソだと思う。食い詰めて日本に渡ってきたのだろう、という趣旨のことを率直に話してくれました。
浦沢氏の作品では最近、妻がレンタル書店から借りてきた「ハッピー」(テニス漫画)をずいぶん久しぶりに読み返しましたが、これも実に面白かったです。
「又蔵の火」も面白いですね。ただ、私はこのころの藤沢作品は読後感が重たいので、それほど何度も読み返してはいませんが。隠し剣シリーズもよいですね。
こんにちは。>教師や記者の経験も作品に役立ったのでしょうか?…これは私の全くの素人考えなのですが、藤沢氏が俳句をたしなんでいたことが、作品に反映されているように感じます。あの自然描写の美しさ、一瞬の光景を切り取る手腕の見事さは、もしかしたら短い句ですべてを表現しようとした修練のたまものかなと。>今野敏氏は、すみません、まだ読んでいないのでそのうち。。。 いえ、別に無理強いする気は全然無いので(笑)。
「ゴルゴ13」については、弊紙政治部の中にもファンが何人かいるようです。「靖国への帰還」はあちこちで書評などに取り上げられていたので、私も関心を持っています。
こんにちは。>いま藤沢周平にはまっています。…それはそれは!藤沢氏の庄内地方を舞台にした作品は味わいがあっていいですねえ。私は鶴岡には、藤沢作品と出会う前に一度取材で日帰りで行っただけなので、数泊してじっくり見て回りたいといつも思っています。>手持ちが尽きたら、やっぱり繰り返して読むことになるのでしょうね。…きっとそうなるのではないかと(笑)。
>入院中はやることがないから読書には最適な期間でしたね。 …別に入院する予定はないのですが、ときどき書店で「もし入院することになったらこれも読もう」などと考えることがあります。分厚い本は、そういう機会でもないと手が出にくくなってきたので。
僕が生まれる前に大河ドラマで放送されました。
実父の蔵書です。
市川海老蔵が主演した「武蔵」にも柳生宗矩が
登場して中井貴一が演じてました。
中井貴一が主演した「武田信玄」好きでした。
DVD化してほしいドラマの一つです。
おはようございます。
今私が一番したいことは、日本の大きい本屋さんで一日中ウロウロすることです。 日本を離れる前は、こんなに「活字に飢える」とは思ってもいなかったです。 実家にある本たちが恋しくて恋しくて… こういう本の話題は、涙が流れます。(笑)
あぁ、それにしても在外邦人の一人として、外国籍の在日の方々が羨ましく思う今日この頃です。本国と居住国、どちらでも権利を手にいれようなんて…
山岡荘八氏でしたか。最近は職業病のようなもので、山岡というと、婿養子の民主党国対委員長の方をつい思い浮かべてしまいます。すいません。
こんにちは。私は海外へは出張で短期間(最大で二週間)しか行ったことがないのですが、それでもニューヨークの日本書店で割高の本を何冊か買ったことがあります。>実家にある本たちが恋しくて恋しくて…お気持ちはよく想像できます。
藤沢作品に限らず原作を読んだイメージと映画化された作品では
思い描くギャップが大き過ぎるのは仕方がないかもしれません。
私はNHK大河ドラマを見ていますが原作を忠実に再現するのは
そもそも無理な話で、大監督山田洋二さえ出来ない相談の話です。
藤沢作品はいいですね。周平の作品の殆どは読んだつもりですが
5年前には彼の故郷の山形県鶴岡市の記念館にも行ってきました。
日本語の美しさと分かりやすさは国語教育に取り入れて欲しいもの、
阿比留さんとの親近感もさることながら孫達にも読書を薦めています。
http://d.hatena.ne.jp/harimaya/
司馬や潮五郎は全て読んだ。
本離れと言われるが、何とかしたいですね。
子供の頃読んだ本は、今でも覚えている。
阿比留様
それにしても凄い読書量にはいつも驚いています。
小生も昨年末に200冊以上の本を処分しましたが糖尿病が災いしてか目の疲れが激しく読書からは遠ざかっています今日この頃です。
周回遅れでお話に参加すれば、前回ご推薦だった「氷川清話」を読みました。
勝海舟なる人物は当時としては矢張り、先進的で、変わった見方(少数派的)をする人だったんでしょうが、その見識を尊重していた方も多く、色々面白い話題でした。
江戸っ子で、遊び人でもあり、浮世の習いを知った御仁でもあったので、そういう粋さというのも読み取れますね。
政治家に求められる資質とは、あの時代も現代も変わりは無く、そういう意味で味わうと、福田総理や現閣僚の超小粒なこと。
明治の偉人も草葉の陰で嘆かれておいででしょう。
映画やドラマの映像化された藤沢作品が好きではないのというよりも、山田洋次監督の描く藤沢作品が「それは違う」という感じなのです。>日本語の美しさと分かりやすさは国語教育に取り入れて欲しいもの…。なるほどそうですね。是非そうしてほしいと思います。
以前に比べ、電車の中で本や新聞を読んでいる人が減り、代わりに携帯電話でメールを打ったりゲームをしたりする人の姿が増えました。やはり少し寂しいですね。
こんにちは。先日まで子供が入院していた病院には、市民図書館の分室のようなスペースがあり、自由に本の持ち出しが可能でした。私も絵本を借りて子供に読み聞かせましたが、そこには字の大きな図書もたくさんありました。大きめの字であれば、目の疲れも少しはマシになるものでしょうか?うーん…。
> つか氏は(中略)率直に話してくれました。
なるほどさすが。
ところで、よくよく見ると本が「真性に垂直(笑)」です。阿比留さんの活字愛好者ぶりがこれからもみてとれます。
キートン第1巻を少し手前に引き出しておくあたりなど、常に本棚に手を触れておられるのがよく分かります(定期的につまみ出し部分は変えておられることでしょう。傷めない程度に・笑)。
こんにちは。「氷川清話」は、まるで現在の状況を語っているように読める部分が多く、興味深く読めますね。透徹した思考というものは、時代を超えるのでしょうね。あるいは、日本人はあまり変わっていないのか。
本や漫画は、古書店に売ったり、人に送ったりで思い立ったときに処分しているのですが、どうしても増えてしまい…。いずれ、もっと大胆に処分しなければならなくなるのは見えているのですが。
> 本や漫画は、古書店に売ったり、人に送ったりで思い立ったときに処分しているのですが、どうしても増えてしまい…。いずれ、もっと大胆に処分しなければならなくなるのは見えているのですが。
ファン感謝デーの時に「阿比留コレクション」としてオークションをし、何かの募金に使うとか、あるいは阿比留さんのブログなどのお手当にするとか、そういうアイデアも面白そうですが・・・。
ワタシも藤沢作品大好きです。特にここに挙げられている連作短編集はお気に入りです。
長い物も良いのですが、一貫したテーマに沿って進む短編は読みやすいですしね。中でも「用心棒費日月抄」の一作目はいわゆる「忠臣蔵」を裏テーマにしてるところが面白かった。
あと時代物では池波先生ですか。こちらも「鬼平」や「剣客商売」など連作が人気ですよね。池波先生が亡くなった頃、お得意先の方が残念がっておられていて「藤沢作品はどうですか?」と言うと「面白いけどちょっと堅い」といわれてました。まあ池波ファンはあの洒脱なところがすきなので。
古くは「眠狂四郎」など親の蔵書で読み始めてましたが、連作というのがやはりとっつき易かったようです。
「マスターキートン」も全巻あります。時々読み返してますが、冷戦終了前後のヨーロッパ情勢の裏話的なネタも多く、今読み返すとまた興味深いものがあります。
ワタシも以前入院した時はゆっくり本を読めるかと思ったんですが、結局ノートPC持込でDVDばかり観てました(苦笑)。
本も読んだんですが、やはり軽いものになりましたね。
眼もだいぶつらくなってきましたが、コミックも含めて本は読みたいですね。
いや、そんなコレクションと言えるようなものはないので…。
こんにちは。やはり連作ものは読みやすいし、面白いですね。私も池波氏だったら「鬼平」「剣客」「梅庵」の各シリーズが好きですし。>「マスターキートン」も全巻あります…同好の士がけっこういるようでうれしくなりました。きょうは(いつも?)何だか仕事に身が入らず、本の世界に逃げ込みたい気分です。
そうですか、病院に図書館の分室みたいなものがあれば助かりますよね。
子供さんにとっては大変心が安らいだ事でしょう。大人も助かると思います。小生も来月は入院しようかと思っているのですが新聞や週刊誌くらいでは活字に飢えます。病室を抜け出し本屋さんにまた通わねばなりません(笑) 三浦容疑者逮捕、驚きました米国の警察には、今度こそ真相の解明が望まれます。被害者、一美さんのお母様の「アメリカがついに動いてくれました」と言う言葉の重さを感じました。
しばらくネットを離れて読書にふけっていました。
藤沢氏の作品は市井の人々や脇役級の人にスポットを当てたものが多いらしいですね。
一度じっくり読みたいと思っています。
ちなみに記者様と主義主張を異にする佐高信氏も藤沢氏の大ファンらしいです。不思議な気がしますが、恐らく記者様と共通する視点があるのでしょう。
漫画家の浦沢直樹氏については、稀代のストーリーテラーであり、天才肌の人だと思います。
引く荷車の梶棒をおさない少女が懸命に助け引く描写は心打つところですが
女性で涙して読んだ人をしらないのですが。自分の思い過ごしならいいのですが。
凄いなあ~。
私が最初に夢中になって読んだのは白土三平の「忍者武芸帳」。戦国時代の歴史の勉強にもなりました。「根絶やし」なんて言葉を覚えたのもこの本からでした。
確か中学生の頃、貸本屋で借りたのを覚えているから四十数年前です。といっても知らない人が多いでしょうけど…(^^;。
藤沢周平は最近読み始めました。
まだ、「蝉しぐれ」と短編の「時雨みち」だけですが。
マンガは最近まったく読まなくなりました。
たまに職場に置いて帰る人がいるので、眺めることもありますが、
暴力・エロ・グロばっかりでその低俗さにすぐ目を背けてしまいます。
きっと、阿比留さんのお勧めの作家は違うのでしょうが・・・。
おはようございます。>小生も来月は入院しようかと思っているのですが…。そうですか、くれぐれもご自愛ください。私は来月は一度福岡に帰る予定です。正月には戻れなかったものですから。
おひさしぶりです。佐高氏に限らず、藤沢作品は幅広い人の心を打つのだと思います。私は佐高氏のように、藤沢氏と司馬氏を比較してどうこう言う気はありませんが。ジャンルが違うと思っていますので。>漫画家の浦沢直樹氏については、稀代のストーリーテラーであり、天才肌の人だと思います。 …同感です。
うーん、どうなんでしょうね。随分前にある女性が酒の席で「藤沢作品は女性を描けていない」と言っていたことがありましたが、私は本当に藤沢作品を読んでいるのかな、と思ったぐらいで…。ちなみに私は白石一郎氏の短編「秘剣」という作品が大好きなのですが、別の女性はこれについて「男性に都合のいい話だ」と言っていました。私には女性は分かりません。
白土三平は今でも根強い人気がありますね。ただ、私は残念ながら断片的にしか読んだことがないのです。いつか通して読んでみようと思います。
漫画もいろいろあるので…。特に漫画週刊誌は、エログロ系作品が多い雑誌と、ほとんどその手のものが載っていない雑誌とがはっきり分かれています。対象年齢の設定が違うのかもしれません。
産経新聞の「明日への遺言」の映画キャンペーンは凄い。
大岡昇平氏の「ながい旅」も買ったし、公正な裁判でアメリが無差別爆撃を認めたというので是非みたいと思っています。
岡田資陸軍中将って「侍」だな~。「南京の真実」といい、今年は軍事法廷の秀作がみられて幸いです。
初めまして
「明日への遺言」本当に楽しみです。
これに限らず、戦中戦後には、すごい軍人さんがいるのに、ほとんど取り上げられません。もったいないような気がします。
私も前に宣言したように『氷川清話』(講談社学術文庫版)を読破しました。
勝海舟が語る維新前夜の舞台裏が大変興味深かったです。
また、混乱の時期には志のある人が入れ替わりステージに上がるチャンスがあったのだなと思いました。
現在の閉塞感も、硬直化したシステムに人々が縛られているのが一因かも知れないですね。
読み終わった後に、何となく現代社会への息苦しさを感じてしまいました。
私は現実逃避出来るような、殺伐とした剣豪ものや幕末ものが
好きですね。津本陽や隆慶一郎などにハマっていました。
個人的には我が故郷の福岡市に在住されていた白石一郎氏の
時代小説が一番なんですが、残念ながらあまりメジャーじゃ
ないんですよねえ。
万が一未読でしたら、九州を舞台にした小説が多いので大宰府
出身(でしたっけ?)の阿比留さんにもお奨めです。
マスターキートンは私も全巻持っています。キートン動物記も。
SAS上がりの考古学者、憧れたなあ。現実は・・・ですが。
PCに向かいブログや新聞を読める有難い世の中ですが、欠点は書ける字が少なくなっているのが不安です。
近年は特に読めるんですけど書けない。
芸能人のオバカトリオを笑えない現象は情けないですわ。
弊紙もずいぶん力を入れて宣伝していますが、弊紙以外のメディアも比較的好意的に取り上げてくれているようですね。BC級戦犯の存在には、もっと目が向けられてしかるべきだと思っています。
こんにちは。確かに現在の政治状況(とそれがつくり出す社会)は閉塞感、息苦しさを感じさせます。分厚い雲に覆われた空模様がずっと続いているような感がありますね。早く晴れ間を見たいものです。
白石一郎氏については、エントリ内の「三屋清左衛門残日録」の紹介と、honest326様のコメントへの返事でも書いたように私も好きです。>キートン動物記も。…私も持っています。確かに、ああいう人物に憧れはしますが、ずいぶん遠い世界の…。
記者をやっていてこういうことを言うのは恥ずかしいのですが、長年、ワープロやパソコンのキーボードばかりたたいていると、やはり読めても書けない漢字が増えてきたように感じています。取材でメモをとるときは、とにかくスピード勝負で正確な字なんて関係なく、のぞきこんだ人が「速記ですか」と聞くような崩れた字で書いていますし。確かにオバカ芸人を笑えません。
きちんと読んだつもりで読み飛ばしていたようです。失礼致しました。
「秘剣」が男性に都合のいい話なんですか。爽やかな秀作だと思っていたのに。男女の視点の違いと言う意味では勉強になりますが。
男女の視点はやはり違うのでしょうね。その手の話は考えても分からないので、考えないようにしています。
http://blogs.yahoo.co.jp/junpaikai2001/41326849.html
uchujin