ちょっと旧聞になりますが、国連総会第3委員会(人道問題)が21日、拉致問題の解決を強く求めるなどと明記した北朝鮮に対する人権非難決議を賛成多数で採択しました。4年連続の採択で、今年は賛成が95カ国(昨年は97カ国)、反対が24カ国(同23カ国)、棄権が62カ国(同60カ国)でした。まあ例年並みと言えますね。

 

   

 

 ただ、その中で一つ注意を引いたことがあります。それは、昨年は自国も数百人も拉致されていながら、北朝鮮を刺激することを避けて棄権に回っていた韓国が賛成に転じ、それどころか決議の共同提案国となったことです。やはり、極左・親北の前政権とは違いますね。竹島問題などでは相変わらずですが、韓国のこの方針転換は歓迎したいと思います。

 

   

 

 逆に、昨年は決議に賛成していたブラジルは、今年は棄権に回っています。外務省の担当課によると、「これは必ずしも後ろ向きな話ではなく、ブラジルとしては北朝鮮への関与政策をとりたいらしい。これから積極的に北に働きかけ、前向きな対応を促していくために、ここで北と対立的な動きはしたくないということのようだ」という話ですが…。

 

   

 

さて、そこで参考として、この決議に反対した24カ国の内訳を記すと、《北朝鮮、中国、ベトナム、ラオス、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、キューバ、ベネズエラ、ニカラグア、ロシア、ベラルーシ、ウズベキスタン、エジプト、アルジェリア、シリアリビアイランスーダン、オマーン、ジンバブエ、ギニア、ソマリア、ナミビア》となります。「アフリカは浮動票」(外務官僚)なんだそうです。

 

  

 

 ちなみに、棄権した62カ国のうち、アジアの国を挙げると、《タイ、シンガポール、ブルネイ、フィリピン、カンボジア、インド、ネパール、パキスタン、スリランカ、モンゴル(欠席)》の10カ国となります。一方、賛成した95カ国のうちアジアの国は《日本、韓国、東ティモール、バングラデシュ、ブータン》の5カ国でした。

 

 それぞれの国にそれぞれの事情や判断理由はあるのでしょうが、賛成180、反対1というような状況にならないのが残念ですね。北朝鮮の核をめぐる6カ国協議が12月8日に北京で開かれる方向となり、私もたぶん取材に行くことになると思いますが、本当に面倒な国です(この寒い季節に北京くんだりまで行きたくないので)。

 

   

 

 …写真は、連休中に滞在した東北某県の里山と街で撮ったものです。里山で可憐に咲く竜胆の花を見つけ喜んでいたところ、すぐそばにはつぼみもありました。紅葉もきれいでしたし、気分転換になりました。